【感想】『シャガクに訊け!』大石大著|人間関係の悩みを、「社会学」が解決!!

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こんにちは、ミャザです!

 

今回紹介するのは、

大石大著

『シャガクに訊け!』

 

コミュ障で根暗な社会心理学講師と、おひとよしで責任感の強い女子大生のコンビが、学生の人生相談を通して悩みを解決していく「社会学ミステリー」小説です。

社会学の知識をふんだんに取り入れた作品となっていますが、難しい知識ばかり羅列しているわけではありません。

物語に引き込みながら、社会学の知識を付けて、人間関係の悩みも解決できます。

 

こんな悩みを持っている方におススメです

  • 家族や友達に素行の悪い人がいる
  • 周りと違う恋愛観に悩んでいる
  • 就活ややりたいこと探しが辛い
  • 友達グループに居ずらい

主に人間関係の悩みについて、ヒントをくれる物語になっています。

 

面白くて分かりやすく、

人間関係の悩みを解決できる、社会学青春ミステリー作品です!

 

01:『シャガクに訊け!』作品情報とあらすじ

『シャガクに訊け!』作品情報

著者  :大石大(おおいしだい)

出版社 :光文社

発行年月:2019年10月30日

ページ数:281ページ(あとがきアリ)

本作は、第22回ボイルドエッグズ新人受賞作(二〇一九年二月受賞発表)です。

この作品が大石大さんのデビュー作となっています。

 

あらすじ

社会学部一人気のない”上庭ゼミ”に入った松岡えみるは、上庭先生の学生相談室の補佐をすることに。サークル内の友人関係に悩んでいるえみるは、学生たちの人間関係の悩みに親身に耳を傾ける。上庭先生は評判とは違い社会学の知識をもって思いもよらぬ解釈をみせ、えみるはすっかり社会学の虜になるが――?!

02:『シャガクに訊け!』社会学をもっと知りたくなる作品!

・社会学の知識が得られ、人間関係の悩みを解決できるかも!

本作の目次は次のようになっています。

ガイダンス|カウンセリング

一限目|ラベリング理論

二限目|文化人類学

三限目|認知的不協和の理論

四限目|スケープゴート

五限目|準拠集団

六限目|服従

七限目|自己成就的予言

補講|ステレオタイプ

あとがき|自己破壊的予言

おそらく全部「社会学」からきている理論であり、学生の相談を聞きその理論に当てはめて解決していく物語になっています。

社会学の基本となる理論ばかりだと思うが、その理論を聞いただけでは意味を理解するのは難しいです。

しかし、相談内容に適した、面白くて分かりやすく説明してくれています。そのため物語に夢中になりながら、社会学の知識も得ることができます。

 

物語の相談者と同じような悩みを持っていれば、同じように解決するヒントがもらえます。同じ悩みでなくても、自分に置き換えて考えて読んでみると、絶対に学びになること間違いないです!

 

人間関係で悩んでいる事を、自分目線で読んでみることをおススメします。

・人間関係の悩みを解決するヒントを与えてくれる

社会学の知識で人間関係の悩みを解決できると言いましたが、あくまでも解釈をしてヒントを与えてくれる内容です。

「解決したかはわからないよ。あの学生にも言ったとおり、僕は社会学の知識に当てはめて解釈しただけだ。あくまでひとつの可能性を提示しただけで、見当違いのことを言っている可能性だってあるんだから」

「こうすれば解決できる!」という答えを教えてあげるのではなく、悩みに対して社会学の知識を説明し、「こんな考え方もある」という事を教えてくれるといった感じです。

なのであくまでも、その悩みに関しては自分で決断して自分で解決しなくてはいけません。

 

悩みを解決することは、答えを教えてもらうのではなく、色々な考え方を知り自分で考えて決断することが、大事なんだと教えてもらいました。

・個人的にためになった理論

「ラベリング理論」

自分とはどういう存在なのか、考えさせてくれました。

※この物語では、対人関係でのラベリング理論を説明しています。

 

ラベリング理論とは、

例えば不良少年の場合、素行の悪い生徒が多い高校に入学するとき、家族からは「不良になるからやめとけ」と強く否定されます。そして煙草を一本吸っただけで、「悪い人間になった」と家族から言われ、周りからも不良のレッテルを貼られていく。そうすると自分は不良なんだと思いはじめ、周りに言われた通りの悪い人間へと変わっていってしまう。

対人関係での言葉の使い方や接し方を考えさせられます。

 

対人関係だけでなく、自分に当てはめて考えることもできます。

僕は自分のことを、「これはできない」、「これは嫌い」だからやらないと、自分に言い聞かせていることが多いです。

自分に対して、「自分にはできない」と考えてしまうと「できない自分」になってしまう。

 

でも逆に考えてみると、「自分ならできる」と考えることができれば、最初の段階ではうまくいかなくても「できる自分」へと変えていくこともできるのではないか。と考えるようになりました。

 

自分にラベルを貼れば、その自分になる。

このラベリング理論を知れるだけでも、勉強になりますよね。

03:『シャガクに訊け!』人間関係の悩みを持つ人必読!

本作は、社会学の知識を学びながらも、物語に引き込まれる内容となっています。

登場人物に感情移入して読んだり、自分に置き換えて読んだりすることで、人間関係への悩みの解決に繋がる考え方がたくさん出てきます。

 

大石大著

『シャガクに訊け!』

是非読んでみて下さい!

最後まで読んでいただき

ありがとうございました!

 

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