【感想】「ビブリア古書堂の事件手帖」三上延著|古本屋のあの雰囲気が好きな方必読です!

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古本屋の、あの雰囲気が好きな方

古本の、味のある感じが好きな方

古書の、古風で独特な雰囲気が好きな方

 

そんな方には絶対にハマっていただける作品が

三上延著

「ビブリア古書堂の事件手帖」~栞子さんと奇妙な客人たち~

古書にまつわる秘密に、主人公が巻き込まれていき

古書の内容と重なる登場人物の心情が、上手く合わさっており

心惹かれるミステリー小説です。

「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズの1作目の作品です。

 

1.「ビブリア古書堂の事件手帖」の作品情報とあらすじ

「ビブリア古書堂の事件手帖」の作品情報

著者  :三上延(みかみえん)

タイトル:ビブリア古書堂の事件手帖

~栞子さんと奇妙な客人たち~

出版社 :メディアワークス文庫

発行年月:2011年3月25日初版発行

ページ数:304ページ

 

あらすじ

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。

主な登場人物

主人公:五浦大輔

ビブリア古書堂の店主:篠川栞子

 

事件の内容は古書の秘密に関するもので、

古書の内容と似ている人物たちが登場し、事件になっていきます。

「五浦」が足を運び事件の情報を集め、

「栞子さん」が聞いた情報をもとに推理する。

探偵と助手のような関係で、古書にまつわる事件を解決していきます。

2.古書の内容と重なる登場人物の「心情」に惹かれる

この本は、

一~四話が実際にある古書のタイトルになっており、

事件内容もその古書にまつわる内容となっています。

第一話なら、「夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)」

となっています。

 

漱石全集の中でも「それから」という物語に、関わっている話です。

主人公の大輔は、子供の頃に祖母の本棚にある『漱石全集』に触ろうとします。

すると祖母に激しく怒られ、その記憶がずっと残っていました。

なぜあんなに激しく怒られたのか?

その古書の秘密を解き明かすために栞子さんに相談し、祖母が怒っていた理由を推理します。

祖母はもう亡くなっているため、予想の範囲ですが理由が明らかになり、

今まで疑問だった点が線となり繋がっていきます。

このあとの結末は、この本を読んでみて下さい!

 

大ヒントとして、

「それから」の主人公の名前が「代助」と言い、他人の妻を奪う話らしいです。

 

他の話も、

こんな直接的に古書の内容と関わっている訳ではないですが、

古書の内容と重なるシーンがあったり、登場人物との心情が似ていたりします。

実際の古書の内容を知っている人は、より楽しめるような内容になっています。

3.「古本好き」に刺さる名言!

第一話「夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)」での名言。

栞子さんの古書の圧倒的な知識と

それをもとにした推理を聞いて、五浦が驚いたあとの

栞子さんの言葉

「わたし、古書が大好きなんです・・・人の手から手へ渡った本そのものに、物語があると思うんです・・・中に書かれている物語だけではなくて」

人に対して表現するのが苦手な栞子さんが、

ただ古書の内容が好きなだけではなく、

「古書の全て」が好きなのが伝わるシーンです。

古本や古書好きには刺さる言葉ですよね。

 

新刊もきれいでツルツルした感触をしていて、

頬ずりしたくなるような気持になります。

ですが、

新刊や電子書籍では味わえない、

古本や古書ならではの感じられる温かみ。

そして持っているだけで得られる優越感幸福感がたまらないんですよね。

その気持ちを再確認することができた名言です!

4.五浦と栞子さんの関係性が、憧れるけど複雑なんです!

憧れるけど複雑な2人の関係性を紹介します!

本を読むのが苦手な主人公:五浦大輔

古書が大好き過ぎてみんなに引かれちゃう:栞子さん

2人の関係性を表す言葉が、

他人と本の話がしたくてもできない彼女は思う存分本について語り、本が読みたくても読めない俺はその話を思う存分聞く、という、ちょっとした持ちつ持たれつの間柄だ。

若くてきれいな女性と一緒にいられるなんて羨ましすぎです。

同じ本好き同士が惹かれ合うということはありますが、

「その真逆でも惹かれ合う」ということがあり得るんですね!(小説の話ですが、、)

 

そんな間柄だと思っていたんですが、

終盤になり物語が急展開を迎えたときに

五浦は犯人に向かって、

・・・たかが本のために、そこまでするのかよ。」

一冊の古書のために、大事件を起こしかねない犯人に言ったセリフでしたが、

それは栞子さんをも刺す言葉となってしまいます。

「どんなことをしてでも、大好きな本を手元に置きたい、気持ちを・・・分からないかもしれない、そう思ったんです・・・たかが本のこと、だから」

その言葉に対し、

本を大事にする人間の気持ちなど分からない。そのことを彼女は正確に見抜いていたのだ。

と五浦は思います。

信頼し合っていた間柄だと思っていたのは表面上で、

心の中では、信じ切れていなかった。

信頼し合うには、信頼に足りえる要素が必要という事です。

意外と難しいですね。

 

この後の2人の関係がどうなるのかは

是非この本を読んで確かめてみて下さい!

5.日常をワクワクさせるポイント

僕の人生での価値観として、「日常をミステリーにしたい!」というのがあります。

そこで、ミステリー小説を読んで

日常をミステリーにさせるポイントを探すようになりました。

皆さんにもこのワクワクを紹介していこうと思います。

 

「ビブリア古書堂の事件手帖」第一話の内容で、

自分の名前の由来について秘密が明らかになるシーンがあります。

そこで思ったのが、

実際に自分の名字や名前について調べてみると、面白い発見があるかも!

 

さっそく自分の名字について調べてみると、

・中臣鎌足が天智天皇より賜った氏

・各地の神官系に多く見られる

こんな意味がありました。

自分が神官系だとは全く知らなかったです!!

こんな些細なワクワクがありました。

 

是非、皆さんも自分の名字や名前の由来について調べてみて下さい!

6.「ビブリア古書堂の事件手帖」おススメです!

「ビブリア古書堂の事件手帖」は、シリーズものとなっており

この後も続いていきます。

 

・古本屋のあの雰囲気が好きな方

・古本の、味のある感じが好きな方

・古書の、古風で独特な雰囲気が好きな方

 

こんな方におススメの小説なので

是非読んでみて下さい!

最後まで読んでいただき

ありがとうございました!!

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