こんにちは、ミャザです!
今回紹介するのは、
米澤穂信 著
『春季限定いちごタルト事件』
米澤穂信さんの『氷菓』を読んで、他の作品も読んでみたくなりました。
本作も『氷菓』と同様に、
個性的なキャラが登場しますが、どういう人物かをあえて細かくは表現していません。読み手に想像させることによって、登場人物たちのことをもっと知りたくなるように描かれています。
『春季限定いちごタルト事件』でも主要人物たちが、何を考え、なぜそのような行動を取ったのか?
その理由を知りたくて一気に読んでしまいました。
米澤穂信さんの、個性的な登場人物の表現描写に引き込まれる作品です!
この作品は、「小市民シリーズ」の一作目の作品となっています。
目次
1.『春季限定いちごタルト事件』の作品情報とあらすじ
『春季限定いちごタルト事件』の作品情報
著者 :米澤穂信(よねざわほのぶ)
出版社 :創元推理文庫
発行年月:2004年12月24日
ページ数:251ページ(解説アリ)
あらすじ ↓
小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、二人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に迫られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星を掴み取ることができるのか?新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書下ろし。
目次
・プロローグ
・羊の着ぐるみ
・For your eyes only
・おいしいココアの作り方
・はらふくるるわざ
・狐狼の心
・エピローグ
・解説
2.『春季限定いちごタルト事件』の推しポイント
・小市民を目指す二人
メインの登場人物である、
主人公:小鳩常悟朗
ヒロイン:小佐内ゆき
この二人は、ある過去を矯正するため「小市民」を目指すようになります。
ぼくが小佐内を言い訳に使うように、小佐内さんはぼくを言い訳に使う。ぼくは小佐内さんを楯にし、小佐内さんはぼくを楯にする。ぼくたちはそうやって、穏やかな時間を作り出す。
こんな関係性になっています。
この二人がなぜ小市民を目指すのか、過去に何があったのかは、本作を読んでいただきたいです!
「小市民」とは?と思った方もいると思います。
小規模の生産手段を所有し自らも労働する、自営の商工業者や自営農民のこと。中産階級・中間階級ともよばれる。
簡単に言うと、日々の平穏と安定のため、目立たず穏やかに生活を送ること。という風に二人は捉えています。
最近の若者は企業に勤めても、上を目指してキャリアアップを図ることをしなくなっていると聞きます。その代わり、残業が少なく、適度なコミュニケーションで、ストレスが少ない職場を好む傾向が見られるそうです。
本作は、2004年に出版された本なので、最近の若者の傾向をイメージした訳ではないと思いますが、「今」の若者なら、目立ち過ぎず平穏と安定を求める生活に、共感できるんじゃないでしょうか?
僕もその一人です。
思春期と言えど、小市民を目指す高校生の二人が、現れる日常の謎に何を思って、どう対処するのか注目です。
・それでも謎を解いてしまう
小市民を目指しているのにも関わらず、目の前に謎が現れるため、推理する必要に迫られる状況になります。
二人とも基本スペックが高く、謎が現れると勝手に推理しそうになるし、気を抜くと目立ってしまいかねません。
主人公、小鳩君の推理の前の口癖が
「僕が思うに、~~で片が付く」
~~には、事件によって内容が変わります。
「僕が思うに、この件は目撃者の証言によって片が付く」
とかっこいいセリフを吐きます。
謎を解く頭脳を持っており、それゆえに謎に対して推理してしまう。
果たして、小鳩君と小佐内さんは「小市民」になれるのか?
「二人の関係性」と「日常の謎」、どちらも興味の惹かれるような内容になっています。この二つに注目して読んでみて下さい!
3.『春季限定いちごタルト事件』独特な2人の関係性に注目!
今回紹介した『春季限定いちごタルト事件』は、
米澤穂信さんならではの、ちょっと変わった登場人物が出てくるコミカルな日常の謎ミステリーとなっています。
日常の謎、ミステリーなだけでなく、
青春小説としても楽しめる作品となっています。
米澤穂信 著
『春季限定いちごタルト事件』
是非読んでみて下さい!
最後まで読んでいただき
ありがとうございました!!
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