こんにちは、ミャザです!
伊与原新(いよはらしん) 著
「月まで三キロ」
を読みました。
理系の要素を含んだ感動ストーリーです。
この作品は6つの短編から構成されています。
一つ一つの話に
メッセージが込められており、
勇気をもらえる
前向きになる
といった自分の気持ちにいい変化が訪れます。
心が沈んでいるときに読みたい一冊です。
短編集が6つあるので、
人によってどの短編が好きか、
心に残ったか
が違うと思います。
特に僕が心を動かされた話を3つ紹介します。
1.「月まで三キロ」
簡単なあらすじ
生きる意味を失い、死に場所を探している主人公。
たまたま出会ったタクシーの運転手と「月まで三キロ」という場所でお互いに語ったこととは・・・
この話は
・後悔ばかりしてしまう人、
・ネガティブ思考が癖になってしまっている人
にお勧めです。
自分の人生が思い通りにいかなく、
人生の生きがいを探している人に向けた
メッセージが込められています。
マイナスな考えを少し前向きにしてくれます。
読んでみて、
自分の考え方は凝り固まっていて
マイナスの面でしか考えられていないことに気付かされました。
作中にもある、
「人生に下見ができていれば」
と後悔や言い訳のスパイラルとなってしまっている。
そんな考え方の視点を変えてみると、
「失敗として過ぎ去っていった事」ではなく
まだ手の届く範囲にあり、軌道修正ならいくらでもきくという事を教えてもらった。
たとえ後悔する様なことがあっても、
視点を変えてこれからの学びとして捉える。
それは後悔ではなく
ただの経験として蓄積され、経験という名の「下見」をしたことにもなる。
失敗しても全てが終わりになるわけじゃない。
過去のことを「下見」と捉え、
未来への行動の足掛かりとすることができる。
そんなことを学ばせてもらいました。
2.「アンモナイトの探し方」
簡単なあらすじ
中学受験のストレス、両親との関係で大きなストレスを抱えている小学6年生の主人公。そんな少年がアンモナイト採掘に人生をささげているおじいさんにアンモナイトの探し方を教わることに。知識だけあり物事を知った風な主人公は、一つのことに熱中しているおじいさんの話を聞いていくうちに・・・
この話は、
・行動するのが遅い人
・考えすぎてしまう人
・やりたいことがなく行動をしていない人
・逆に何かに「熱中」したい人
こんな人におススメです。
「分かる」という事を
もっと大切に考えさせてくれます。
何かやりたいことがあっても
これをずっとやり続けて良いことがあるのか?
本当に面白いことなのか?
と深く考えすぎてしまい、実際の行動に移したことが全然ありませんでした。
必死になっても、「結果が出なければ意味ない」
とやる前から見切りをつけていることが多い。
知っている気になっていても
実際に言葉にしてみたり、
行動に起こしてみたりすると
理解していないことが多いと気づく。
結果、「やらない」という選択を取ってしまう。
この話を読んで
自分が知った気になって、無駄に考えすぎていた
と気づかされました。
「分かる」という事は「分ける」、
正しく分けることは簡単ではない。
分からないことの中にこそ
大切なものがある。
分かったつもりになっていただけで、
きちんとわかっていることが
本当はとても少ないことを
思い知らされます。
おじいさんは、
結果が出るかどうかわからないことに対してでも
熱中して取り組める。
知識があり「知った気」になっている主人公の少年に対して、
「科学に限らず、うまくいくことだけを選んでいけるほど、物事は単純ではない。まずは手を動かすことだ」
とアドバイスをする。
分からないからこそ挑戦する。知っていたらつまらない。
後先考える前に「今」この場を楽しんでみる。
まずは手を動かすという考え方は、
最初から結果を出すことではなく、小さいことからやってみて判断する。
面白かったら続ければいい。
この考え方の方が楽しくできそうだ。
3.「山を刻む」
簡単なあらすじ
中高年の専業主婦である主人公は、誰にも感謝されない家事に疲れ切って家族に内緒で一人大好きな登山に行くことに。そこで大学の先生と生徒の2人と出くわす。先生と生徒の思いを聞き主人公もある決心をすることに・・・
この話は、
・何かに頑張りすぎている人
・頑張り切った人
・熱中できるものがない人
こんな人におススメです。
もう少し頑張ってみよう
もう一回チャレンジしてみよう
と思わせてくれます。
高校・大学時代
「やる気がなかった」
「知らなかった」
などと言い訳をして頑張っていなかった。
そしてそれも言い訳にして
「頑張ってこなかったから何もできない」
と言い訳ばかりで、本気を出せなかった。
面白いと思ったことでも
多少辛いことがあると
すぐあきらめてしまっていた。
「もう学生じゃないから」
「時間が無いから」と
チャレンジから距離を置いていた。
でもこの話を読んでみて、
今から頑張っても、遅すぎることなんてない。
と気づかされました。
「頑張れない」は言い訳でしかない。
頑張れること自体がかっこいい。
自分の目標がある人は
軸がぶれずに
まっすぐ突き進んでいてかっこいいし、
何をやればいいのか明確に見えている気がする。
だからこそきちんと頑張れる。
山が大好きな先生とそれに引っ張られる生徒が
いい関係だなと思える。
一番いいシーンは、
生徒になぜ面倒くさがりながらも先生のもとにいるのか、
主人公が聞いてみると、
「あの人と一緒にやってみるのが、一番確率高いっしょ」
「確率?何の?」
「将来、やっててよかったな、面白いな、と思える確率。だってあの人、自分のやってることが世界一面白いって、マジで思ってますからね。仕事なんて辛いもんだ、歯を食いしばってやるもんだ、なんていうオヤジのもとで働いて、面白いわけないですもん」
と答えていて、
先生と生徒は
お互いにいい関係性であることが分かる。
良いメンターに出会うことも
一つの夢を達成させるために必要だと感じた。
多少大変なことでも、
尊敬できる人がいるだけで
やってみようと力を注げると思った。
自分には
やっててよかったな、面白いな
と思える確率で物事を考えたことが無かったです。
短期的な目線でしか考えられていないから、
勉強しないといけない時でも
ゲームしたり、部屋を掃除し始めたり、してしまっていたのかもしれない。
尊敬できる人と一緒にいる、
自分がやりたいこと楽しいことを続けていこう。
後悔しないように、将来楽しめる確率が高い選択を
今できるようになりたい。
4.最後に
上記で紹介した3つが、特に心に残ったお話です。
何かに悩んでいるとき、心が沈んでいるときに
自分を励ましてくれる。
誰にでも辛いことはある。
そんなときは、一回休憩して
ゆっくりと考え直してみてもいいかもしれない。
「もっと頑張ろう」となるよりは、
休憩してからやってみようと一回クッションを置いてくれる。
そんなお話でした。
他にも3つの短編があります
・「星六花」
・「天王寺ハイエイタス」
・「エイリアンの食堂」
この3つも感動的で、心温まるお話です。
是非読んでみてください!
最後まで読んでいただき
ありがとうございました!