【感想】川口雅幸著「虹色ほたる」|小説を好きになったきっかけの本

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こんにちは!ミャザです。

 

今回は、

川口雅幸著「虹色ほたる」

について紹介します。

この小説は僕が小説を好きになったきっかけの本で

中学生の時に初めて小説を読み切りました。

 

この小説は憧れていた田舎の夏休み

といった感じで

憧れの田舎と

懐かしい夏休みを

感じさせてくれる作品となっています。

そういった世界観の中で

主人公の少年の成長を描いており

最後には、泣けます!

 

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1.あらすじ

一年前に交通事故で父親を亡くしたユウタは、小6の夏休みに一人、父との思い出の地を訪れていた。よく一緒にカブトムシをとりに来ていた山奥のダム。今は使われていないそのダムで、ユウタは突然の雷雨に襲われ、足をすべらせて気を失ってしまう。

やがて目を覚ましたユウタの目の前には、一人の小さな女の子とダムに沈んだはずの村が……。タイムスリップした三十年以上前の村。かけがえのないもう一つの夏休みの、はじまりだった。

 

タイムスリップというベタではあるが、僕の好きなジャンルです。

初めは何となく読み進めていたでけでしたが

小学生目線なので分かりやすく、読みやすかったです。

田舎の夏休みのいい所を上手い言葉、いい表現で味合わせてくれます。

 

2.表現力

主人公 小6のユウタの表現力(川口雅幸さんの表現力)がとにかく秀逸ですごいです!!

特に好きな表現が、

第一章で

まだ日の出も上がっていない早朝に

友人とカブトムシをとりに行ったユウタが

日の出が出始めた時のシーンで

鳥居の向こうの空が明らみかけていた。空を青紫から赤紫にグラデーションさせる、その神秘的な儀式が始まろうとしている。

朝日が昇る少し前の一瞬の美しさ。はるか大昔の人たちが、太陽を神として崇拝していた訳が何となく分かるような瞬間。

遠くの山の向こう側から、その『神』が今日もあの灼熱を連れてやってくるのだ。

とあります。

 

この表現方法は

ただ日が出てきたことだけでなく

夏の太陽がいかに強大な存在かを表現しています。

このような秀逸な表現と

その表現を読んで

実際に見ているかのように感じさせてくれるシーンが

多数あるところが

この小説の一つの魅力だと思います。

 

また小学生時代の

男子のあるあるのシーンで、

ある女の子に急に折り紙を渡されて

すまし顔で受け取るが

内情では、このシチュエーションがどういったものなのか

この紙がどういった類のものなのか

実は知っていて

ドキドキしているシーンでの表現方法が、

鳴りやまない大太鼓。

その響きは一発打ち鳴らすごとに力強さを増し、どんどんどんどんスピードアップしてゆく。そんなリズムを内に秘めているなんて絶対に気付かれないように、誰にも悟られないように。オレは平然とした顔を保ちながらさりげなく辺りを見回すと、誰も来ないことを十分に確認してから、ゆっくりとその折り紙を開いた。

このシーンは

男性なら「あるある!」と思ってくれると思います。

恥ずかしいけど嬉しい気持ちで

懐かしくて少しキュンキュンしてしまう感じが

とても好きな表現です。

 

3.成長

主人公ユウタは、

初めは突然起こったタイムスリップと

慣れない田舎暮らし、

亡くなった父親のことを思い出し

不安を抱えつつも

もう二人の主要な登場人物である

小3の女の子の「さえ子」と

ユウタと同学年の少年、「ケンゾー」

と過ごしていく中で

ユウタが少しづつ成長していきます。

小6から、来年には中学生になっていく

一つの区切りを終える時期であり、

一つ大人になっていくような成長の実感を覚えさせてくれます。

 

そして物語が進むにつれて、

自分の成長や、父親の死

についても考えるようになり

緊迫するシーンや

読み進めていくうえでの疑問点が

少しずつ出てきて

「そーだったのか」

と鳥肌が立つような複線の回収がありつつ

昔と今の夏休みという思い出を通して

考えさせられるような展開にもなっていきます。

 

4.最後に

読み始めたのはたまたまでしたが

この本に出会って小説が好きになりました。

小説は退屈なものではなく、

自分の心をワクワクさせてくれるものだと知り、

これからもたくさん小説を読んでいきたいと思いました。

 

学生の頃の夏休みの思い出

憧れの田舎生活

そして昔の懐かしい記憶を忘れず、

あの時の純粋で元気だった頃を思い出させてくれました。

好奇心いっぱいにやっていきたいと思えるような作品です。

 

皆さんの好奇心の一歩目を踏み出すきっかけとなったら嬉しいです。



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